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【個展の主旨】

心に降る雨は、きっと無色透明で、雨が降っていることや自分が既に、ずぶ濡れであることに気がつきません。立ち止まって、安全な場所で、風邪をひいてしまう前に、休息をとる必要があるのではないでしょうか。

街を歩いていると、急に雨が降り出して信号待ちの間、閉まっている店の軒先であまやどりさせてもらいました。。
信号が変わっても当然、都合よく雨は止んでくれません。だから、もう一度、信号が変わるのを待つことにしました。突然の雨だったため、多くの人が傘を持たず、小走りになって目的地に向かっていきます。
ふと、あまやどりは贅沢な時間であることに気が付きました。たまたま用事がなかったため、軒先で休ませてもらいましたが、自分も仕事であったならば、雨の中を走ったと思います。個展のタイトルやテーマに悩んでいた僕は、その時「心のあまやどり」を題材にして作っていこうと決めました。

あまやどりの良い所は、そこが自分専用の場所ではないということです。誰かほかの傘を持っていない困った人がくれば、場所を譲らなければいけません。
今回描いた「瓶」は休む場所を表していますが、一時的にそこで休み、再び出て行ってほしいと願って描きました。

素人の描く絵で誰の心にも届かないのは百も承知。
それでも、今の世の中に必要なことはあまやどりすることではないでしょうか。
心に降っている雨を認識し自分の身を守るために、一時的にそれをやり過ごす、少しでも休むことの重要性を表現できれば個展をやらせてもらった意味があると思います。